マンション概要
- 名称
- ウエリス世田谷砧
- 所在地
- 東京都世田谷区砧1-350-11他3筆(地番)
- 交通
- 小田急小田原線「祖師ヶ谷大蔵」駅(南口)より徒歩15分
- 総戸数
- 182戸
- 構造・規模
- 鉄筋コンクリート造・地上10階建
- 間取り
- 2LDK+S(納戸)~4LDK
- 専有面積
- 70.04m2~82.1m2
- 予定価格帯
- 5300万円台~7200万円台
- 管理費
- 1万3930円~1万6330円/月
- 管理準備金
- 1万3930円~1万6330円(一括払い)
- 修繕積立金
- 8750円~1万260円/月
- 修繕積立基金
- 43万7500円~51万3000円(一括払い)
- 用途地域
- 第二種住居地域
- 権利形態
- 所有権の共有
- 完成時期
- 2018年1月完成済
- 入居時期
- 2018年4月下旬予定以降
※販売期4期の情報を掲載しております。
※出典:公式ホームページ、SUUMO
土地の値段の査定
物件概要より、ウエリス世田谷砧の価格は、70.04m2~82.1m2の面積に対して、5300万円台~7200万円台です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
1戸当たりの価格の妥当性を検証していきましょう。
まずは、土地の値段を確認します。
土地の値段を算定するためには、マンションの立地を確認する必要があります。
ウエリス世田谷砧の所在地は、世田谷区砧1丁目のあたりで、NHK放送研修センターの近くです。
立地が確認できたところで、次に路線価図を確認しましょう。
路線価図をみると、3つの道路に隣接しています。
一番高い路線価が370千円、続いて360千円です。
出典:平成29年財産評価基準書
通常、マンション全体の評価額を計算し、それに持分割合をかけて、マンション各戸の評価額を計算します。
路線価の計算も複雑なのですが、非常に簡便的に一番高い路線価に面積をかけて計算することとします。
専有面積が70.04m2~82.1m2ですので、路線価方式の土地価格は、25,914,800円~30,377,000円と算定できます。
ここで、路線価方式の土地価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
したがって、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の適正価格となります。
- 土地の適正価格:32,393,500円~37,971,250円
建物価格の査定
次に建物価格を査定してみましょう。
ウエリス世田谷砧の構造は、鉄筋コンクリート造です。
国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計によると、東京都の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり339,672円の費用が発生します。
専有面積が70.04m2~82.1m2であることから、1室あたりの建物工事費は23,790,626円~27,887,071円と計算できます。
- 建物の工事費:23,790,626円~27,887,071円

妥当性検証結果
さいごに、マンションの販売価格が割高なのか、割安なのか考えてみましょう。
マンションの販売価格は、土地の仕入価額と建築費に販売経費と利益を乗せて算定されます。
ちなみに、販売経費とはモデルルーム運営のための設備や人件費、そして広告宣伝費などが含まれます。

では、先程計算した土地の適正価格と建物の工事費を再度確認してみましょう。
- 土地の適正価格:32,393,500円~37,971,250円
- 建物の工事費:23,790,626円~27,887,071円
- 合計:56,184,126円~65,858,321円
ウエリス世田谷砧の販売価格を改めて確認すると、販売価格は、5300万円台~7200万円台です。
販売経費と利益の上乗せ金額は存在しない計算になってしまいます。
土地を安く仕入れることができたのか、路線価を基にして計算した時価で考えると、割安感が強い物件と考えることができます。
もしかしたら、デベロッパーの小田急不動産にとっては、赤字物件なのかもしれません。
最近は西高東低の方程式が崩れ、湾岸エリアをはじめとした東部エリアが人気です。
そのため、西部エリアは不動産会社としては、売りにくいことで、弱気な値段設定を強いられているような気がします。
この物件は祖師ヶ谷大蔵から徒歩15分と、電車を利用する方にとっては非常に不便な立地にあります。
しかし、アドレスは世田谷ですし、砧公園も近くにあるので、子育て世帯にとっては割安な優良物件なのかもしれません。
他のマンションと比べて
そして最後に、販売価格の中央値と専有面積の中央値をもとに坪単価を算定して、路線価との関係性を見てみましょう。
ウエリス世田谷砧の販売価格の中央値は6250万円、専有面積は76.07㎡です。
1坪3.3㎡とすると、坪単価は271.1万円と計算できます。
それを前提として、下図をご覧ください。

サンプル数は若干少ないですが、2018年に販売されている東京都の101の新築マンションについて、横軸を路線価、縦軸を坪単価概算として散布図にしたものです。
赤いラインは近似曲線になります。
オレンジの点がウエリス世田谷砧なのですが、赤いラインの下側にあることが分かります。
このことからも、割安な物件であることが予想されます。
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