ワコーレ姫路 城巽テラスというマンションがお買い得なのかどうか、路線価をベンチマークにして検討してみました。
兵庫県姫路市北条口3丁目44番の一部(地番)に建設予定のマンションです。
マンション概要
- 名称
- ワコーレ姫路 城巽テラス
- 所在地
- 兵庫県姫路市北条口3丁目44番の一部(地番)、姫路市北条口3丁目44番地 ワコーレ姫路 城巽テラス<部屋番号>号(住居表示未実施地区)
- 交通
- JR山陽本線(神戸線)「姫路」駅徒歩11分
山陽電鉄本線「山陽姫路」駅徒歩11分 - 総戸数
- 36戸
- 構造・階数
- RC13階建
- 間取り
- 2LDK+S(納戸)~4LDK ※S=F
- 専有面積
- 61.25m2~80.85m2
- 価格
- 2930万円~4341万4000円
- 管理費
- 6900円~8800円/月
- 管理準備金
- –
- 修繕積立金
- 4590円~6060円/月
- 駐車場
- 敷地内30台(料金3000円~1万5000円/月、(屋外平面:2台、屋内機械式・ピット式・3段:16台、屋外機械式・ピット式・3段:12台))
- 駐輪場
- 72台収容(料金200円/月)スライドラック式
- バイク置場
- 5台収容(料金500円・1000円/月)
- 用途地域
- 商業地域
- 完成時期
- 2019年12月中旬予定
- 入居時期
- 2020年1月下旬予定
※2019年5月時点の情報を掲載しております
※出典:公式ホームページ、SUUMO
物件価格の妥当性検証
物件概要より、ワコーレ姫路 城巽テラスの販売価格は、61.25m2~80.85m2の面積に対して、2930万円~4341万4000円です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
土地の価格と工事費用を推計して、販売価格の妥当性を検証していきます。
路線価の確認
まずは、路線価に専有面積を乗じて土地価格の推計値を算定します。
そのためには、まず路線価を確認する必要がありますので、物件の所在地を確認します。
ワコーレ姫路 城巽テラスの住所は兵庫県姫路市北条口3丁目44番の一部(地番)です。
場所が確認できたところで、次に路線価を確認します。
実は路線価計算はとても複雑ですが、細かく計算すると大変ですので、非常に簡便的な方法を採用し、複数の道路に面していた場合には、一番高い路線価を物件の路線価として採用することとします。
上記前提で考えると、ワコーレ姫路 城巽テラスの路線価は98,000円ということになります。

出典:国税庁 平成30年分財産評価基準
土地の市場価格推計
路線価が確認できましたので、専有面積を乗じて土地の市場価格を推計してみましょう。
物件概要によれば、ワコーレ姫路 城巽テラスの専有面積は61.25m2~80.85m2ですので、路線価方式の土地価格は、6,002,500円~7,923,300円と算定できます。
ここで、路線価方式によって算定した土地市場価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
つまり、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の市場価格となります。
【土地の市場価格推計値】
7,503,125円~9,904,125円
工事費用推計
次にマンションを建設するために要した工事費用推計値を算定します。
物件概要によれば、ワコーレ姫路 城巽テラスの構造は、鉄筋コンクリート造です。
ここで、国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計(平成30年)によると、兵庫県の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり253,375円の費用が発生します。
ワコーレ姫路 城巽テラスの専有面積は61.25m2~80.85m2ですので、工事費用の推計値は以下の金額と推計できます。
【工事費用の推計値】
15,519,219円~20,485,369円
割高割安判定
土地の市場価格と工事費用の推計値が算定できましたので、実際の販売価格と比べてみます。
この2つを比べると、どの程度デベロッパーが利益を乗せているか、おおよその金額が確認することができます。
ここで注意すべき事項があります。
それは、推計値と実績値の差額がすべてデベロッパーの利益ではないということです。
マンションを販売するためには、営業の人件費やモデルルーム運営の設備費、広告宣伝費が必要です。
つまり、推計値よりも販売価格の方が高いことは、ある程度仕方ないということになります。

では、実際に比較してみましょう。
ワコーレ姫路 城巽テラスの土地の推計値は7,503,125円~9,904,125円、工事費の推計値は15,519,219円~20,485,369円ですので、合計で23,022,344円~30,389,494円となります。
そして、実際の販売価格は2930万円~4341万4000円です。
差額、つまり経費と利益の上乗せは、6,277,656円~13,020,506円であることが予想されます。
他のマンションとの比較
積み上げ方式による検討を行ってきましたが、他のマンションと比べたときの相対的な販売価格の高低についても確認しましょう。
下図は、2019年以降に売りに出された兵庫県の新築分譲マンション42棟について、坪単価の中央値を縦軸に、路線価を横軸にとって散布図を作成しております。
※坪単価の中央値は、販売価格の中央値÷専有面積の中央値×3.3として計算。

右肩上がりの赤いラインが平均線になります。
路線価に対して販売価格の平均的な水準を結んだ線ということです。
つまり、赤いラインより上側にあれば割高、下側にあれば割安であると判断できます。
ここで、ワコーレ姫路 城巽テラスの坪単価の中央値は169万円、路線価は98,000円で、オレンジの点がそれに該当します。
オレンジの点は少し上側にありますので、ワコーレ姫路 城巽テラスは他のマンションに比べると割高で販売されていることが予想されます。
以上の分析から、やや強気な販売価格が設定されていると予想されますので、購入を検討しているのであれば慎重な検討をお勧めします。
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