マンション概要
- 名称
- ヴェレーナ戸塚グランガーデン
- 所在地
- 神奈川県横浜市戸塚区吉田町字茶屋裏607の一部他(地番)
- 交通
- (1)JR東海道本線・湘南新宿ライン・横須賀線「戸塚」駅徒歩9分
(2)横浜市営地下鉄ブルーライン「戸塚」駅徒歩9分 - 総戸数
- 30戸(他に管理員室1戸、会員分譲住戸6戸含む)
- 構造・階数
- 鉄筋コンクリート造・5階建
- 間取り
- 2LDK~4LDK
- 専有面積
- 60.3m2~92.33m2
- 価格
- 4098万円~6598万円
- 管理費
- 1万970円~1万6800円/月
- 管理準備金
- 7840円~1万2000円(一括払い)
- 修繕積立金
- 6630円~1万160円/月
- 修繕積立基金
- 59万6700円~91万4400円(一括払い)
- 用途地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 権利形態
- 所有権の共有
- 完成時期
- 2019年1月下旬予定
- 入居時期
- 2019年3月中旬予定
※販売期:第2期1次の情報を掲載しております。
※出典:公式ホームページ、SUUMO
土地の値段の査定
物件概要より、ヴェレーナ戸塚グランガーデンの価格は、60.3m2~92.33m2の面積に対して、4098万円~6598万円です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
1戸当たりの価格の妥当性を検証していきましょう。
まずは、土地の値段を確認します。
土地の値段を算定するためには、マンションの立地を確認する必要があります。
ヴェレーナ戸塚グランガーデンの所在地は、横浜市戸塚区吉田町で、戸塚駅から徒歩9分の場所です。
立地が確認できたところで、次に路線価図を確認しましょう。
路線価図をみると、3つの道路に隣接していて、いづれも路線価は180千円です。
出典:平成29年財産評価基準書
通常、マンション全体の評価額を計算し、それに持分割合をかけて、マンション各戸の評価額を計算します。
路線価の計算も複雑なのですが、非常に簡便的に一番高い路線価に面積をかけて計算することとします。
専有面積が60.3m2~92.33m2ですので、路線価方式の土地価格は、10,854,000円~16,619,400円と算定できます。
ここで、路線価方式の土地価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
したがって、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の適正価格となります。
- 土地の適正価格:13,567,500円~20,774,250円
建物価格の査定
次に建物価格を査定してみましょう。
ヴェレーナ戸塚グランガーデンの構造は、鉄筋コンクリート造です。
国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計によると、神奈川県の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり276,488円の費用が発生します。
専有面積が60.3m2~92.33m2であることから、1室あたりの建物工事費は16,672,226円~25,528,137円と計算できます。
- 建物の工事費:16,672,226円~25,528,137円

妥当性検証結果
さいごに、マンションの販売価格が割高なのか、割安なのか考えてみましょう。
マンションの販売価格は、土地の仕入価額と建築費に販売経費と利益を乗せて算定されます。
ちなみに、販売経費とはモデルルーム運営のための設備や人件費、そして広告宣伝費などが含まれます。

では、先程計算した土地の適正価格と建物の工事費を再度確認してみましょう。
- 土地の適正価格:13,567,500円~20,774,250円
- 建物の工事費:16,672,226円~25,528,137円
- 合計:30,239,726円~46,302,387円
それに対して、販売価格は4098万円~6598万円です。
簡便的に路線価を用いて算定した場合ではありますが、販売経費と利益が1000万円~1950万円程度乗せられていることが予想されます。
デベロッパーは大和地所ですので大手であることには間違いなく、ブランド力は確かです。
しかし、最寄り駅から徒歩9分の立地を考えると、強気な価格設定であるように感じてしまいます。
総戸数が少ない物件なので、一戸当たりに乗せられる経費や利益が大きくなってしまっているのかもしれませんね。
購入は慎重に検討した方がよいかもしれません。
他のマンションと比べて
そして最後に、販売価格の中央値と専有面積の中央値をもとに坪単価を算定して、路線価との関係性を見てみましょう。
ヴェレーナ戸塚グランガーデンの販売価格の中央値は5348万円、専有面積は76.32㎡です。
1坪3.3㎡とすると、坪単価は231.3万円と計算できます。
それを前提として、下図をご覧ください。

サンプル数は少ないですが、2018年に販売されている神奈川県横浜市と川崎市の37の新築マンションについて、横軸を路線価、縦軸を坪単価概算として散布図にしたものです。
赤いラインは近似曲線になります。
オレンジの点がヴェレーナ戸塚グランガーデンなのですが、赤いラインの上側にあることが分かります。
このことからも、他のマンションに比べても割高価格で販売されていることが予想されます。
中古マンション市場との比較
次に、マンション建設エリアの中古マンション市場と照らして、割高なのか割安なのか検証します。
以下の図は、2016年1月から2019年3月の間に戸塚駅周辺(駅まで徒歩10分以内の立地)で取引された中古マンションの築年数と取引価格の関係を示しております。
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出典:不動産取引価格情報 国土交通省
【抽出条件】種類:中古マンション等、最寄り駅:戸塚(駅まで徒歩10分以内の立地)、建物の構造:RC、取引年:2016年1月~2019年3月、購入後の利用目的:住宅
中央の赤いラインが近似線(平均的なライン)ですが、右肩下がりで描かれていることが分かると思います。
当然ではありますが、築年数が長ければ長いほど、取引価格は低下していくということを意味します。
そして、この近似線は一次関数の式で表すことができ、グラフの右上の式がそれに該当します。
y=-ax+bの式で表されておりますが、aに該当する値は1年間で下落する取引価格(坪単価)、bに該当する値はxが0の時の取引価格、つまり中古市場における新築時の取引価格と考えることができます。
ヴェレーナ戸塚グランガーデンの坪単価の中央値は231.3万円であることを考えると、ヴェレーナ戸塚グランガーデンは中古マンション市場相場と照らして割安な水準で販売されていると考えることができます。
まとめ
さいごに、これまでの結果を振りかえってみましょう。
- 他のマンションとの比較:他のマンションに比べると割高
- 中古マンション市場との比較:中古マンション市場における新築時取引価格を推計すると281万円/坪なので、中古マンション市場相場と比較すると割安と考えることができる
以上から、他のマンションと比較すると路線価の割に強気な販売価格が設定されているように感じますが、中古マンション市場相場と比較すると割高感は感じられませんので、購入を検討しているのであれば前向きに考えてもよいかもしれません。
- マンションの適正価格がわかる(新築マンション4000棟弱・中古マンション201万戸超を開示)
- モデルルームに行かなくても価格表が見られる
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