プレサンス ロジェ 此花シティというマンションがお買い得なのかどうか、路線価をベンチマークにして検討してみました。
大阪府大阪市此花区伝法3丁目12番1(地番)に建設予定のマンションです。
マンション概要
- 名称
- プレサンス ロジェ 此花シティ
- 所在地
- 大阪府大阪市此花区伝法3丁目12番1(地番)
- 交通
- 阪神電鉄阪神なんば線「伝法」駅徒歩2分
- 総戸数
- 172戸
- 構造・階数
- RC11階建
- 間取り
- 2LDK~4LDK(2LDK・3LDK・4LDK)
- 専有面積
- 54.92m2~76.72m2
- 予定価格帯
- 2300万円台~4100万円台(第1期予定)
- 管理費
- 4450円~6210円/月 (インターネット・Wi-Fi利用料金等含む)
- 管理準備金
- 2万円(一括払い)
- 修繕積立金
- 3840円~5370円/月
- 駐車場
- 敷地内122台(料金1000円~1万5000円/月、屋外平面式80台[内4台は電気自動車専用充電コンセント付]・屋外機械式42台)
- 駐輪場
- 344台収容(料金未定)屋外スライドラック式253台 屋根付・屋外平面式91台 屋根付
- バイク置場
- 10台収容(料金未定)屋外平面式 屋根付
- 用途地域
- 準工業地域
- 完成時期
- 2020年3月上旬予定
- 入居時期
- 2020年4月上旬予定
※2019年5月時点の情報を掲載しております
※出典:公式ホームページ、SUUMO
物件価格の妥当性検証
物件概要より、プレサンス ロジェ 此花シティの販売価格は、54.92m2~76.72m2の面積に対して、2300万円台~4100万円台(第1期予定)です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
土地の価格と工事費用を推計して、販売価格の妥当性を検証していきます。
路線価の確認
まずは、路線価に専有面積を乗じて土地価格の推計値を算定します。
そのためには、まず路線価を確認する必要がありますので、物件の所在地を確認します。
プレサンス ロジェ 此花シティの住所は大阪府大阪市此花区伝法3丁目12番1(地番)です。
場所が確認できたところで、次に路線価を確認します。
実は路線価計算はとても複雑ですが、細かく計算すると大変ですので、非常に簡便的な方法を採用し、複数の道路に面していた場合には、一番高い路線価を物件の路線価として採用することとします。
上記前提で考えると、プレサンス ロジェ 此花シティの路線価は150,000円ということになります。

出典:国税庁 平成30年分財産評価基準
土地の市場価格推計
路線価が確認できましたので、専有面積を乗じて土地の市場価格を推計してみましょう。
物件概要によれば、プレサンス ロジェ 此花シティの専有面積は54.92m2~76.72m2ですので、路線価方式の土地価格は、8,238,000円~11,508,000円と算定できます。
ここで、路線価方式によって算定した土地市場価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
つまり、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の市場価格となります。
【土地の市場価格推計値】
10,297,500円~14,385,000円
工事費用推計
次にマンションを建設するために要した工事費用推計値を算定します。
物件概要によれば、プレサンス ロジェ 此花シティの構造は、鉄筋コンクリート造です。
ここで、国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計(平成30年)によると、大阪府の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり238,148円の費用が発生します。
プレサンス ロジェ 此花シティの専有面積は54.92m2~76.72m2ですので、工事費用の推計値は以下の金額と推計できます。
【工事費用の推計値】
13,079,088円~18,270,715円
割高割安判定
土地の市場価格と工事費用の推計値が算定できましたので、実際の販売価格と比べてみます。
この2つを比べると、どの程度デベロッパーが利益を乗せているか、おおよその金額が確認することができます。
ここで注意すべき事項があります。
それは、推計値と実績値の差額がすべてデベロッパーの利益ではないということです。
マンションを販売するためには、営業の人件費やモデルルーム運営の設備費、広告宣伝費が必要です。
つまり、推計値よりも販売価格の方が高いことは、ある程度仕方ないということになります。

では、実際に比較してみましょう。
プレサンス ロジェ 此花シティの土地の推計値は10,297,500円~14,385,000円、工事費の推計値は13,079,088円~18,270,715円ですので、合計で23,376,588円~32,655,715円となります。
そして、実際の販売価格は2300万円台~4100万円台(第1期予定)です。
差額、つまり経費と利益の上乗せは、-376,588円~8,344,285円であることが予想されます。
他のマンションとの比較
積み上げ方式による検討を行ってきましたが、他のマンションと比べたときの相対的な販売価格の高低についても確認しましょう。
下図は、2018年以降に売りに出された大阪府の新築分譲マンション85棟について、坪単価の中央値を縦軸に、路線価を横軸にとって散布図を作成しております。
※坪単価の中央値は、販売価格の中央値÷専有面積の中央値×3.3として計算。

右肩上がりの赤いラインが平均線になります。
路線価に対して販売価格の平均的な水準を結んだ線ということです。
つまり、赤いラインより上側にあれば割高、下側にあれば割安であると判断できます。
ここで、プレサンス ロジェ 此花シティの坪単価の中央値は160万円、路線価は150,000円で、オレンジの点がそれに該当します。
オレンジの点は下側にありますので、プレサンス ロジェ 此花シティは他のマンションに比べると割安で販売されていることが予想されます。
中古マンション市場との比較
次に、マンション建設エリアの中古マンション市場と照らして、割高なのか割安なのか検証します。
以下の図は、2016年から2019年3月の間に大阪市此花区で取引された中古マンションの築年数と取引価格の関係を示しております。

出典:不動産取引価格情報 国土交通省
【抽出条件】市区町村名:大阪市此花区、建物の構造:RC、取引年:2016年1月~2019年3月、購入後の利用目的:住宅
中央の赤いラインが近似線(平均的なライン)ですが、右肩下がりで描かれていることが分かります。
当然ではありますが、築年数が長ければ長いほど、取引価格は低下していくということを意味しています。
そして、この近似線は一次関数の式で表すことができ、グラフの右上の式がそれに該当します。
y=-ax+bの式で表されておりますが、aに該当する値は1年間で下落する取引価格(坪単価)、bに該当する値はxが0の時の取引価格、つまり中古市場における新築時の取引価格と考えることができます。
プレサンス ロジェ 此花シティの坪単価平均が160万円であることを考えると、プレサンス ロジェ 此花シティは多少の新築プレミアムが乗せられておりますが、適正な水準で販売されていると考えることができます(買っても損することは考えにくい)。
まとめ
さいごに、これまでの結果を振りかえってみましょう。
- 積上方式:利益と経費の上乗せは-376,588円~8,344,285円
- 他のマンションとの比較:他のマンションに比べると割安
- 中古マンション市場との比較:中古市場における新築時取引価格を推計すると149.93万円/坪なので販売価格は適正と考えることができる
以上から、購入を考えているのであれば前向きに考えてよい物件であるように感じます。
- マンションの適正価格がわかる(新築マンション4000棟弱・中古マンション201万戸超を開示)
- モデルルームに行かなくても価格表が見られる
- 中古マンションの売却相場が無料でわかる