パークコート渋谷 ザ タワーというマンションがお買い得なのかどうか、路線価をベンチマークにして検討してみました。
東京都渋谷区宇田川町28-20他(地番)に建設予定のマンションです。
マンション概要
- 名称
- パークコート渋谷 ザ タワー
- 所在地
- 東京都渋谷区宇田川町28-20他(地番)
- 交通
- (1)東急東横線・東急田園都市線・ 東京メトロ半蔵門線・東京メトロ副都心線「渋谷」駅より徒歩8分(2)JR山手線・東京メトロ銀座線・京王井の頭線「渋谷」駅より徒歩9分(3)東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前」駅より徒歩11分(4)JR山手線「原宿」駅より徒歩12分
- 総戸数
- 505戸
- 構造・階数
- RC39階地下4階建
- 間取り
- 2LDK・3LDK
- 専有面積
- 78.16m2・104.66m2
- 価格
- 1億6600万円・2億3000万円(※権利金・一括前払地代含む)
- 管理費
- 3万8610円・5万1700円/月
- 管理準備金
- –
- 修繕積立金
- 1万160円・1万3610円/月
- 駐車場
- 敷地内160台(料金5万円~6万9000円/月、機械式 ※車椅子使用者用1台含む)
- 駐輪場
- 668台収容(料金200円~500円/月)(平置式540台・2段ラック式128台)
- バイク置場
- 51台収容(料金2000円~3000円/月)
- 用途地域
- 商業地域
- 完成時期
- 2020年9月下旬予定
- 入居時期
- 2021年1月下旬予定
※2019年2月時点の情報を掲載しております
※出典:公式ホームページ、SUUMO
物件価格の妥当性検証
物件概要より、パークコート渋谷 ザ タワーの販売価格は、78.16m2・104.66m2の面積に対して、1億6600万円・2億3000万円(※権利金・一括前払地代含む)です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
土地の価格と工事費用を推計して、販売価格の妥当性を検証していきます。
路線価の確認
まずは、路線価に専有面積を乗じて土地価格の推計値を算定します。
そのためには、まず路線価を確認する必要がありますので、物件の所在地を確認します。
パークコート渋谷 ザ タワーの住所は東京都渋谷区宇田川町28-20他(地番)です。
場所が確認できたところで、次に路線価を確認します。
実は路線価計算はとても複雑ですが、細かく計算すると大変ですので、非常に簡便的な方法を採用し、複数の道路に面していた場合には、一番高い路線価を物件の路線価として採用することとします。
上記前提で考えると、パークコート渋谷 ザ タワーの路線価は2,140,000円ということになります。

出典:国税庁 平成30年分財産評価基準
土地の市場価格推計
路線価が確認できましたので、専有面積を乗じて土地の市場価格を推計してみましょう。
物件概要によれば、パークコート渋谷 ザ タワーの専有面積は78.16m2・104.66m2ですので、路線価方式の土地価格は、167,262,400円~223,972,400円と算定できます。
ここで、路線価方式によって算定した土地市場価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
つまり、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の市場価格となります。
【土地の市場価格推計値】
209,078,000円~279,965,500円
工事費用推計
次にマンションを建設するために要した工事費用推計値を算定します。
物件概要によれば、パークコート渋谷 ザ タワーの構造は、鉄筋コンクリート造です。
ここで、国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計(平成30年)によると、東京都の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり324,214円の費用が発生します。
パークコート渋谷 ザ タワーの専有面積は78.16m2・104.66m2ですので、工事費用の推計値は以下の金額と推計できます。
【工事費用の推計値】
25,340,566円~33,932,237円
割高割安判定
土地の市場価格と工事費用の推計値が算定できましたので、実際の販売価格と比べてみます。
この2つを比べると、どの程度デベロッパーが利益を乗せているか、おおよその金額が確認することができます。
ここで注意すべき事項があります。
それは、推計値と実績値の差額がすべてデベロッパーの利益ではないということです。
マンションを販売するためには、営業の人件費やモデルルーム運営の設備費、広告宣伝費が必要です。
つまり、推計値よりも販売価格の方が高いことは、ある程度仕方ないということです。

では、実際に比較してみましょう。
パークコート渋谷 ザ タワーの土地の推計値は209,078,000円~279,965,500円、工事費の推計値は25,340,566円~33,932,237円ですので、合計で234,418,566円~313,897,737円となります。
そして、実際の販売価格は1億6600万円・2億3000万円(※権利金・一括前払地代含む)です。
差額、つまり経費と利益の上乗せは、-68,418,566円~-83,897,737円であることが予想されます。
他のマンションとの比較
積み上げ方式による検討を行ってきましたが、他のマンションと比べたときの相対的な販売価格の高低についても確認しましょう。
下図は、2018年以降に売りに出された東京都の新築分譲マンション255棟について、坪単価の中央値を縦軸に、路線価を横軸にとって散布図を作成しております。
※坪単価の中央値は、販売価格の中央値÷専有面積の中央値×3.3として計算。

右肩上がりの赤いラインが平均線になります。
路線価に対して販売価格の平均的な水準を結んだ線ということです。
つまり、赤いラインより上側にあれば割高、下側にあれば割安であると判断できます。
ここで、パークコート渋谷 ザ タワーの坪単価の中央値は715万円、路線価は2,140,000円で、オレンジの点がそれに該当します。
オレンジの点は下側にありますので、パークコート渋谷 ザ タワーは他のマンションに比べると割安で販売されていることは明白なように感じるでしょう。
しかし、このマンションは2093年09月30日まで約70年の定期借地権付きのマンションです。
定期借地権付きであるため、割安な水準であることは間違い無いですが、購入するときには定期借地権付きであることを念頭の上、購入を決めてください。
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