リビオ大宮宮原というマンションがお買い得なのかどうか、路線価をベンチマークにして検討してみました。
埼玉県さいたま市北区宮原町1-116-2(地番)に建設予定のマンションです。
マンション概要
- 名称
- リビオ大宮宮原
- 所在地
- 埼玉県さいたま市北区宮原町1-116-2(地番)
- 交通
- (1)埼玉新都市交通伊奈線「加茂宮」駅より徒歩5分
(2)JR宇都宮線「土呂」駅より徒歩17分
(3)JR高崎線・湘南新宿ライン・埼京線「大宮」駅より東武バス15分(通勤時20分)「宮原一丁目」バス停より徒歩6分 - 総戸数
- 144戸
- 構造・階数
- RC15階建
- 間取り
- 3LDK
- 専有面積
- 63.47m2~74.75m2
- 価格
- 2928万円~3712万6794円
- 管理費
- 9390円~1万1060円/月
- 管理準備金
- 9390円~1万1060円(一括払い)
- 修繕積立金
- 3800円~4480円/月
- 駐車場
- 敷地内96台(料金8000円~1万円/月、平置き(月額使用料:8000円~8500円 身障者用駐車場:9000円 専用駐車場:1万円※専用駐車場は使用しない場合も使用料が発生します。))
- 駐輪場
- (料金500円・1000円/月)144区画※サイクルポート
- バイク置場
- –
- 用途地域
- 工業地域
- 完成時期
- 2020年6月上旬予定
- 入居時期
- 2020年6月下旬予定
※2019年5月時点の情報を掲載しております
※出典:公式ホームページ、SUUMO
物件価格の妥当性検証
物件概要より、リビオ大宮宮原の販売価格は、63.47m2~74.75m2の面積に対して、2928万円~3712万6794円です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
土地の価格と工事費用を推計して、販売価格の妥当性を検証していきます。
路線価の確認
まずは、路線価に専有面積を乗じて土地価格の推計値を算定します。
そのためには、まず路線価を確認する必要がありますので、物件の所在地を確認します。
リビオ大宮宮原の住所は埼玉県さいたま市北区宮原町1-116-2(地番)です。
場所が確認できたところで、次に路線価を確認します。
実は路線価計算はとても複雑ですが、細かく計算すると大変ですので、非常に簡便的な方法を採用し、複数の道路に面していた場合には、一番高い路線価を物件の路線価として採用することとします。
上記前提で考えると、リビオ大宮宮原の路線価は135,000円ということになります。

出典:国税庁 平成30年分財産評価基準
土地の市場価格推計
路線価が確認できましたので、専有面積を乗じて土地の市場価格を推計してみましょう。
物件概要によれば、リビオ大宮宮原の専有面積は63.47m2~74.75m2ですので、路線価方式の土地価格は、8,568,450円~10,091,250円と算定できます。
ここで、路線価方式によって算定した土地市場価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
つまり、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の市場価格となります。
【土地の市場価格推計値】
10,710,563円~12,614,063円
工事費用推計
次にマンションを建設するために要した工事費用推計値を算定します。
物件概要によれば、リビオ大宮宮原の構造は、鉄筋コンクリート造です。
ここで、国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計(平成30年)によると、埼玉県の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり238,313円の費用が発生します。
リビオ大宮宮原の専有面積は63.47m2~74.75m2ですので、工事費用の推計値は以下の金額と推計できます。
【工事費用の推計値】
15,125,726円~17,813,897円
割高割安判定
土地の市場価格と工事費用の推計値が算定できましたので、実際の販売価格と比べてみます。
この2つを比べると、どの程度デベロッパーが利益を乗せているか、おおよその金額が確認することができます。
ここで注意すべき事項があります。
それは、推計値と実績値の差額がすべてデベロッパーの利益ではないということです。
マンションを販売するためには、営業の人件費やモデルルーム運営の設備費、広告宣伝費が必要です。
つまり、推計値よりも販売価格の方が高いことは、ある程度仕方ないということになります。

では、実際に比較してみましょう。
リビオ大宮宮原の土地の推計値は10,710,563円~12,614,063円、工事費の推計値は15,125,726円~17,813,897円ですので、合計で25,836,289円~30,427,960円となります。
そして、実際の販売価格は2928万円~3712万6794円です。
差額、つまり経費と利益の上乗せは、3,443,711円~6,698,834円であることが予想されます。
他のマンションとの比較
積み上げ方式による検討を行ってきましたが、他のマンションと比べたときの相対的な販売価格の高低についても確認しましょう。
下図は、2019年に売りに出された埼玉県の新築分譲マンション47棟について、坪単価の中央値を縦軸に、路線価を横軸にとって散布図を作成しております。
※坪単価の中央値は、販売価格の中央値÷専有面積の中央値×3.3として計算。

右肩上がりの赤いラインが平均線になります。
路線価に対して販売価格の平均的な水準を結んだ線ということです。
つまり、赤いラインより上側にあれば割高、下側にあれば割安であると判断できます。
ここで、リビオ大宮宮原の坪単価の中央値は159万円、路線価は135,000円で、オレンジの点がそれに該当します。
オレンジの点は赤いラインの下側にありますので、リビオ大宮宮原は他のマンションに比べると割安で販売されているように見えます。
しかし、この物件には2092年5月11日までの定期借地権が付いています。
定期借地権付きの物件は、そうでない物件の70%が相場と言われているので、坪単価平均の159万円を70%で割返してみると227万円(159万円÷70%)と計算できます。
227万円という水準は赤いラインの上側に位置することになりますので、実際には強気な価格が設定されている可能性が考えられると思われます。
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