ジェイグラン元住吉というマンションがお買い得なのかどうか、路線価をベンチマークにして検討してみました。
神奈川県川崎市中原区木月4-1903(地番)に建設予定のマンションです。
マンション概要
- 名称
- ジェイグラン元住吉
- 所在地
- 神奈川県川崎市中原区木月4-1903(地番)
- 交通
- (1)東急東横線・目黒線「元住吉」駅より徒歩13分(2)東急東横線・目黒線「日吉」駅より徒歩14分(3)横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉」駅より徒歩14分
- 総戸数
- 41戸(他、管理室1戸)
- 構造・階数
- RC7階建
- 間取り
- 3LDK
- 専有面積
- 68.44m2~72.79m2
- 価格
- 5290万円~6150万円
- 管理費
- 1万3575円~1万4375円/月(インターネット利用料935円含む)
- 管理準備金
- 1万2640円~1万3440円(一括払い)
- 修繕積立金
- 5840円~6210円/月
- 駐車場
- 敷地内20台(料金1万7000円~2万3000円/月、平面駐車場※内、身障者用駐車場1台・専用駐車場5台)
- 駐輪場
- 82台収容(料金200円~500円/月)(2段式上段27台・下部スライドラック式39台・平置6台・専用駐輪場10台)
- バイク置場
- 2台収容(料金2000円/月)
- 用途地域
- 第一種住居地域
- 完成時期
- 2019年6月上旬予定
- 入居時期
- 2019年7月中旬予定
※2019年3月時点の情報を掲載しております
※出典:公式ホームページ、SUUMO
物件価格の妥当性検証
物件概要より、ジェイグラン元住吉の販売価格は、68.44m2~72.79m2の面積に対して、5290万円~6150万円です。
この値段が高いのか、それとも安いのか?
土地の価格と工事費用を推計して、販売価格の妥当性を検証していきます。
路線価の確認
まずは、路線価に専有面積を乗じて土地価格の推計値を算定します。
そのためには、まず路線価を確認する必要がありますので、物件の所在地を確認します。
ジェイグラン元住吉の住所は神奈川県川崎市中原区木月4-1903(地番)です。
場所が確認できたところで、次に路線価を確認します。
実は路線価計算はとても複雑ですが、細かく計算すると大変ですので、非常に簡便的な方法を採用し、複数の道路に面していた場合には、一番高い路線価を物件の路線価として採用することとします。
上記前提で考えると、ジェイグラン元住吉の路線価は245,000円ということになります。

出典:国税庁 平成30年分財産評価基準
土地の市場価格推計
路線価が確認できましたので、専有面積を乗じて土地の市場価格を推計してみましょう。
物件概要によれば、ジェイグラン元住吉の専有面積は68.44m2~72.79m2ですので、路線価方式の土地価格は、16,767,800円~17,833,550円と算定できます。
ここで、路線価方式によって算定した土地市場価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
つまり、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の市場価格となります。
【土地の市場価格推計値】
20,959,750円~22,291,938円
工事費用推計
次にマンションを建設するために要した工事費用推計値を算定します。
物件概要によれば、ジェイグラン元住吉の構造は、鉄筋コンクリート造です。
ここで、国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計(平成30年)によると、神奈川県の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり263,917円の費用が発生します。
ジェイグラン元住吉の専有面積は68.44m2~72.79m2ですので、工事費用の推計値は以下の金額と推計できます。
【工事費用の推計値】
18,062,479円~19,210,518円
割高割安判定
土地の市場価格と工事費用の推計値が算定できましたので、実際の販売価格と比べてみます。
この2つを比べると、どの程度デベロッパーが利益を乗せているか、おおよその金額が確認することができます。
ここで注意すべき事項があります。
それは、推計値と実績値の差額がすべてデベロッパーの利益ではないということです。
マンションを販売するためには、営業の人件費やモデルルーム運営の設備費、広告宣伝費が必要です。
つまり、推計値よりも販売価格の方が高いことは、ある程度仕方ないということになります。

では、実際に比較してみましょう。
ジェイグラン元住吉の土地の推計値は20,959,750円~22,291,938円、工事費の推計値は18,062,479円~19,210,518円ですので、合計で39,022,229円~41,502,456円となります。
そして、実際の販売価格は5290万円~6150万円です。
差額、つまり経費と利益の上乗せは、13,877,771円~19,997,544円であることが予想されます。
他のマンションとの比較
積み上げ方式による検討を行ってきましたが、他のマンションと比べたときの相対的な販売価格の高低についても確認しましょう。
下図は、2018年以降に売りに出された神奈川県の新築分譲マンション108棟について、坪単価の中央値を縦軸に、路線価を横軸にとって散布図を作成しております。
※坪単価の中央値は、販売価格の中央値÷専有面積の中央値×3.3として計算。

右肩上がりの赤いラインが平均線になります。
路線価に対して販売価格の平均的な水準を結んだ線ということです。
つまり、赤いラインより上側にあれば割高、下側にあれば割安であると判断できます。
ここで、ジェイグラン元住吉の坪単価の中央値は267万円、路線価は245,000円で、オレンジの点がそれに該当します。
オレンジの点は上側にありますので、ジェイグラン元住吉は他のマンションに比べると割高で販売されていることが予想されます。
以上の分析から、やや強気な販売価格が設定されていると予想されますので、購入を検討しているのであれば慎重な検討をおすすめします。
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