セントラルレジデンス笹塚の5480~7280万円は割高?割安?




セントラルレジデンス笹塚の販売価格は、55.96m2~67.51m2の面積に対して、5480万円~7280万円です。
この販売価格は高いのでしょうか?それとも安いのでしょうか?
路線価を基準としたときの価格設定の妥当性検証、建設エリアの中古マンション市場相場と販売価格の比較検証の2つの検証を実施しております。

マンション概要

名称
セントラルレジデンス笹塚
所在地
東京都中野区南台4丁目97番1他(地番)
交通
(1)京王電鉄京王線「笹塚」駅から徒歩12分(2)京王電鉄京王線「幡ヶ谷」駅から徒歩13分(3)JR山手線「新宿」駅西口からバス20分「新山通り」バス停徒歩1分(4)JR山手線「渋谷」駅からバス36分「新山通り」バス停徒歩1分(5)JR中央線「中野」駅からバス17分「新山通り」バス停徒歩1分
総戸数
39戸
構造・階建て
RC11階建
間取り
2LDK~3LDK
専有面積
55.96m2~67.51m2
価格
5480万円~7280万円
管理費
1万5225円~1万8165円/月
管理準備金
1万5225円~1万8165円(一括払い)
修繕積立金
5250円~6340円/月
駐車場
敷地内9台(料金2万5400円~2万8000円/月)
駐輪場
76台収容(料金200円~1500円/月)
バイク置場
2台収容(料金6000円/月)
用途地域
近隣商業地域
完成時期
2019年12月下旬予定
入居時期
2020年6月下旬予定

※2019年10月時点の情報を掲載しております
※出典:公式ホームページ、SUUMO

路線価を基準にした価格検証

路線価とは不動産の価値や売却査定時の参考になる公的価格の一つです。
国税庁によって毎年7月1日に公表されている指標で、国が土地の値段を市場変動を加味しながら毎年更新している指標とお考えください。
それでは、セントラルレジデンス笹塚の建設地の路線価を確認してみましょう。

路線価の確認

セントラルレジデンス笹塚の所在地は物件概要に記載があるとおり、東京都中野区南台4丁目97番1他(地番)です。

場所が確認できたところで、次に路線価を確認します。
実は路線価計算はとても複雑ですが、細かく計算すると大変ですので、非常に簡便的な方法を採用し、複数の道路に面していた場合には、一番高い路線価を物件の路線価として採用することとします。
上記前提で考えると、セントラルレジデンス笹塚の路線価は610,000円ということになります。

出典:国税庁 令和元年分財産評価基準

土地の原価の推計

路線価が確認できましたので、専有面積を乗じて土地の原価を推計してみましょう。
物件概要によれば、セントラルレジデンス笹塚の専有面積は55.96m2~67.51m2ですので、土地の原価は34,135,600円~41,181,100円と計算できます。

ここで、路線価方式によって算定した土地市場価格は、売買取引時価(実際に売買するときに用いる価格)の80%程度と言われています。
つまり、路線価方式の土地価格を1.25倍した金額が土地の市場価格となります。

土地の原価
42,669,500円~51,476,375円

建物の原価の推計

次に建物の原価、つまりマンション建設のために要する工事費用を推計します。

物件概要によれば、セントラルレジデンス笹塚の構造は、鉄筋コンクリート造です。
ここで、国土交通省が発表している構造別工事予定費の統計(平成30年)によると、東京都の鉄筋コンクリート造の建物は1㎡当たり324,214円の費用が発生します。
セントラルレジデンス笹塚の専有面積は55.96m2~67.51m2ですので、工事費用の推計値は以下の金額と推計できます。

建物の原価
18,143,015円~21,887,687円

利益と経費の上乗せ金額の計算

土地と建物の原価が計算できましたので、実際の販売価格と比べてデベロッパーがどの程度利益を乗せているか、確認しておきましょう。

ここで注意すべき事項があります。
それは、販売価格と原価の差額すべてがデベロッパーの利益ではないということです。
マンションを販売するためには、営業の人件費やモデルルーム運営の設備費、広告宣伝費が必要です。

では、実際に比較してみましょう。
セントラルレジデンス笹塚の土地の原価は42,669,500円~51,476,375円、工事費の推計値は18,143,015円~21,887,687円ですので、合計すると60,812,515円~73,364,062円となります。
そして、実際の販売価格は5480万円~7280万円です。
販売価格と原価の差額、つまり経費と利益の上乗せは、-6,012,515円~-564,062円であることが予想されます。

経費と利益の上乗せ
-6,012,515円~-564,062円

他のマンションとの比較

次に、路線価に市場相場が適切に反映されているという仮定のもと、セントラルレジデンス笹塚の販売価格の設定が妥当なのか確認します。
下図は、2018年以降に売りに出された東京都の新築分譲マンション280棟について、坪単価の中央値を縦軸に、路線価を横軸にとって散布図を作成しております。
※坪単価の中央値は、販売価格の中央値÷専有面積の中央値×3.3として計算。

右肩上がりの赤いラインが平均線になります。
路線価に対して販売価格の平均的な水準を結んだ線ということです。
つまり、赤いラインより上側にあれば路線価の割に強気な販売価格が設定されている(割高)、下側にあれば路線価の割に弱気な販売価格が設定されている(割安)と判断できます。
ここで、セントラルレジデンス笹塚の坪単価の中央値は341万円、路線価は610,000円で、オレンジの点がそれに該当します。

検証結果1
オレンジの点は赤いラインの線上にありますので、セントラルレジデンス笹塚は他のマンションに比べて平均的な水準で販売されていることが予想される。

中古マンション市場相場との比較

セントラルレジデンス笹塚の建設エリアの中古マンション市場相場と照らして、割高なのか割安なのか検証します。
以下の図は、2016年1月から2019年3月の間に笹塚駅周辺で取引された中古マンションの築年数と取引価格の関係を示しております。

出典:不動産取引価格情報 国土交通省
【抽出条件】種類:中古マンション等、最寄り駅:笹塚、建物の構造:RC、取引年:2016年1月~2019年3月、購入後の利用目的:住宅

中央の赤いラインが近似線(平均的なライン)ですが、右肩下がりで描かれていることが分かると思います。
当然ではありますが、築年数が長ければ長いほど、取引価格は低下していくということを意味します。

そして、この近似線は一次関数の式で表すことができ、グラフの右上の式がそれに該当します。
y=-ax+bの式で表されておりますが、aに該当する値は1年間で下落する取引価格(坪単価)、bに該当する値はxが0の時の取引価格、つまり中古市場における新築時の取引価格と考えることができますので、セントラルレジデンス笹塚の適正販売価格は387万円/坪ということになります。
将来的な売却を見据えると、この金額よりも高い金額で販売されていれば損するリスクが高く、低い金額で販売されていれば損するリスクが低いと考えることができます。

検証結果2
セントラルレジデンス笹塚の坪単価の中央値は341万円、中古マンション市場相場の適正販売価格は387万円/坪であることを考えると、中古マンション市場相場と照らして割安な水準で販売されていると考えられる。

まとめ

さいごに、これまでの結果を振りかえってみましょう。

まとめ
  • 積上方式:利益と経費の上乗せは-6,012,515円~-564,062円
  • 他のマンションとの比較:他のマンションに比べると路線価に則った販売価格が設定されている。
  • 中古マンション市場相場との比較:セントラルレジデンス笹塚の坪単価の中央値は341万円、中古マンション市場における新築時適正価格は387万円/坪。したがって、中古マンション市場相場と比較すると割安と考えることができる。

以上から、割高感は感じられない販売価格が設定されていると予想されますので、購入を検討しているのであれば前向きに考えてみてはいかがでしょうか。

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